※この記事はJLCPCBの提供でお送りします。
JLCPCBとは
(↑こちらは日本語版のログインページで、お得なクーポンも配布されています。)
JLCPCBとは、プリント基板製造などで有名な香港の企業です。
日本からでもWebページでポチポチするだけでKiCADなどで作成した基板データの製造を依頼できます。
値段もかなりお手頃で、ホビー電子工作ユーザーの間では広く利用されています。
そんなJLCPCBですが、最近「3Dプリントサービス」を始めたようです。
以前このサービスを使って光造形式の3Dプリントを依頼したことがあります(下の記事です)
今回は、このサービスの「金属3Dプリント」に挑戦してみました。
金属3Dプリンターを活用したい
家ではなかなかできない金属3Dプリンターですが、こういうサービスがあるなら使ってみたくなるのがMakerというものです。
ということで何かを金属3Dプリントしたいのですが、、いざ考えてみると意外と良いネタが思いつきません。
メカを作っている人は剛性が必要な部品などを作るのが普通の使い方でしょうが、私は電子工作のエンクロージャに使うことがほとんどで、体積が大きくなりがちで、ちょっとお値段が高くなってしまいますし、また金属を使う必要性もあまり感じられません。
ということで、普段作っているものからは離れて、「なるべく小さめの金属を使った何か」を考えた結果思いついたのが・・・
「焼き印」です!!
焼き印とは?
自分もあまり詳しくないのですが、蒸しパンとか、パンケーキなどの表面にロゴマークやキャラクターを焼き付けるために使う金属片です。
金属片に模様が彫り込まれており、加熱した焼き印を対象物に押し付けることで焦げ目をつけるという単純な仕組みです。
おそらくこれは、金属を切削して作るものだと思うのですが、金属3Dプリントでも同じものが作れるのでは?と思いました。
しかも、当然好きな模様の焼き印を作ることが出来、3Dプリントサービスを使う意義もあります。
デザイン
今回もOpenSCADを使って設計しました。
筒状の金属片の両端に模様を彫り込み、2種類の模様を使い分けることのできるよう設計しました。
模様は何にしようか迷ったのですが、いつもの「うんこ」マークにすることにしました。 反対側は保険として、「星」マークも用意しました。
この金属片にどうにかして柄をつける必要があるので、固定用の穴を側面に開けました。 (この時はまだどうやって固定するか深く考えていませんでした、まぁ穴開けておけば何とかなるだろうと・・)
大まかなサイズ感は直径3cm、高さ2.4cmの円柱です。
ちなみに、この時に使った「うんこ」は以下のクッキー型を作る時に作ったものです。デジタルファブリケーションはこういうところで素材の流用ができて便利ですね。
発注
発注は以前の光造形の3Dプリントと同じ要領だったので簡単です。
ただ、お値段は桁が違います。
この造形だと$45.06でした、側面の穴を大きくすると値段が安くなったので、この金額は重量というか、金属の体積によるもののようです。
Shipping MethodはOCS Expressを選択すると、$6.82で、総額$51.88で発注できました。
ちょっとお値段がはりましたが、焼き印のサイズを小さくしたり、円柱を低くすることで、おそらく半額以下にできそうな気がします。
今回は小さすぎて模様がつぶれてしまうことや、金属片が小さすぎて柄をつけることが難しくならないように、十分に大きく設計したのでこのサイズになりました。
まぁでもオリジナルの焼き印を作る値段としてはそこまで高くないのではないでしょうか?
届いた!
待つこと1週間程度、届きました!
ずっしりと重たい、うんこ柄の金属片です。 穴も両面の刻印も特に問題なく造形できています。
柄をつける
取り敢えず練習で焼きを入れるだけなので、雑に手元にあった木片に針金で固定しました。
何度も利用する場合にはしっかり固定しないと危ないとは思うのですが、今回は万全の注意を払いつつ利用するということで、仮にこのような形にしました。
焼き付けてみる
焼き印に食用油を塗り、ガスコンロの火で焼き印を加熱し、適当なタイミングでパンに押し付けてみました。
何度か試してみたところ・・、全然焼き色がつかない・・ と嘆いていたのですが、どうも焼き付ける時間が短すぎたことが原因だったようです。
焼き印を押しつけて、1分ほど放置すると・・ いい感じにできました! (普通の焼き印を調べるともっと短い時間でよさそうなことが書いてありますが、私の場合は加熱が足りなかったのかもしれません・・)
調子に乗って盛り付けも頑張って、カフェのメニュー風にしてみました。いいですね!
※食品に利用していますが、安全性についてはよくわかっていませんので真似する際は自己責任でお願いします。
まとめ
金属3Dプリントサービスを使って「焼き印」を作ってみました。 直径3cmのようなものを大きめに作りましたが$50程度で作ることが出来ました。
もう少しうまくやれば半額くらいで作れそうです。
柄の取り付けにはさらなる研究が必要そうですが、木材と針金でも何とかなりました。
金属3Dプリントサービスは、業務用としては結構使われ始めていますが、自分のような個人が気軽に使えるようになったのはごく最近のことです。
皆さんもぜひ金属3Dプリンターで何が作れる?というのを考えてみてはいかがでしょう? 世界でもまだ誰も挑戦していないようなネタがあるかもしれません。