これは?
私は毎週1回更新のポッドキャストである「#inajob の試しに録音してみた」をかれこれ、2023年5月から始めて1年以上続けています。
ポッドキャスト、というと面倒くさそうというイメージがあるかもしれませんが、個人的にはブログ記事を書くよりも簡単・気楽に自分の言葉を紡ぎだし、公開する手段だと考えています。
この記事では、このポッドキャストの技術的な側面について紹介します。
まずは宣伝
この記事では、「#inajob の試しに録音してみた」をどうやって作っているかという技術面での紹介にフォーカスして紹介しましたが一応「#inajob の試しに録音してみた」の紹介もさせてください。
「#inajob の試しに録音してみた」は、30台後半、ものづくりが好きで、4歳の娘を子育て中のinajobが、なんでもない日々の雑談を毎週30分程度録音しているポッドキャストです。
「30代後半」、「ものづくり」、「子育て」あたりのキーワードにピピっと来た人はぜひ試しに聞いてみてください!
Spotifyで聞きたい方はこちら open.spotify.com
LISTENで文字起こしを見たい、文字起こしを見ながら聞きたい方はこちら listen.style
機材
機材と言っても、パソコンとマイクだけです。 パソコンは一般的なものなので、マイクについて紹介します。
以前も紹介しましたが、マイクはWeb会議用のインカム型のマイクを利用しています。
ポッドキャストを録音する人は、かなり良いマイクを買っているようですが、自分はまだ踏み出せていません。でもどうでしょう、自分のポッドキャスト、そこまで音声がひどいってことはないように聞こえませんか? (良いマイクはこんなところがいいよ!というプレゼンをしてほしいと思い、あえてこういう書き方をしてみる)
このヘッドセット、普通に在宅勤務時にも便利に使っています。
選ぶポイントとしては、安いこと、USB接続ではなく3.5mmオーディオジャックであること(一般的にはUSB接続の方が音質が良いなどと言われている気がしますが、接続の相性などが無い3.5mmオーディオジャックの方がつぶしがききそうだなと思って、こちらを選択しました)くらいを考慮しました。
台本
台本と言っても、何を話すかのトピックを列挙しただけのテキストです。
私は、普段自作のWikiで日記をつけているので、そのWikiの中に台本を作っています。
自分のポッドキャストでは、主にその週に起きたことをトピックとして取り上げることが多いため、台本作りというか、「先週の振り返り」をやっていると自然と台本が出来ているというような感じです。
録音ソフト
Windows標準の「ボイスレコーダー」、Macの場合は「ボイスメモ」を使っています。
私のポッドキャストは1人で録音しているものなので、録音周りで凝った機能は不要です。
しかし、この後の編集作業で、話題の切り替わりポイントに効果音を入れる処理があるので、話題の切れ目で音声ファイルを分けたいという要件があります。
OS標準のこれらのソフトは、録音ボタンで録音ができて、1つの音声を録音したのちに、さらに録音ボタンから録音すると別の音声ファイルとして録音を開始してくれます。
まぁ当たり前と言えば当たり前なのですが、この機能がトピックごとに音声ファイルを分けて録音するうえでとても便利です。
音声編集ソフト
Audacityを利用しています。 Audacityは無料で利用できる音声編集ソフトです。
また、後述するようにプログラミングで動作を定義することができるので、定型的な編集作業を自動化できます。
今回はこのプログラミングでの音声編集についてもう少し詳しく説明します。
プログラミングでの音声編集
Audacityはプログラミングで動作を定義できるということで、ポッドキャストをある程度編集していく中で、お決まりの編集作業をスクリプトとして定義しました。
後から音声の一部を切り取りたい、と言った作業をする必要が無い場合は、プログラムを実行し、少し手で作業するだけで、トピックごとのぶつ切り音声にBGMやサウンドを合成して、ポッドキャストっぽい音声を半自動的に作成できるようになっています。
ということで、この仕組みを使うと、ポッドキャスト収録にかかる時間は録音している時間と、少しスクリプトを実行する時間のみ、ということで、かなり手軽にポッドキャスト的な音声を作ることができます。
ぶつ切り音声をポッドキャスト化する手順
- 録音した音声をすべて読み込む
- (ここは手動)ノイズ低減
- 無音の切りつめ
- 録音データで沈黙部分が長い場合に切り詰めます
- ラウドネスノーマライズ
- -14LUFSに音声レベルを合わせます
- 録音した音声を並べる
- 最初と最後の音声は、BGMのイントロ部分と被らないように少しずらして配置します
- 音声の切り替わり部分に効果音を入れる
- 最初と最後の音声部分にBGMを入れる
- BGMは最初数秒再生したのちにフェードアウトするようにエンベロープを設定します
- 最後の音声の終了に合わせてBGMを切り詰める
- (ここは手動) 名前を付けてプロジェクトを保存
- (ここは手動) mp3形式でオーディオをエクスポート
自動化スクリプト
上に書いた処理を実行するスクリプトを公開しています。 もし似たようなポッドキャストを作ってみたい方は、どうぞご自由に使ってください。
配信
Spotify for Podcastersを使って配信しています。無料です。 さらに、Spotify for Podcastersの機能で、YouTube、Apple Podcasts、Amazon Music、などさまざまなポッドキャストプラットフォームに配信しています。
文字起こし
LISTENを使って文字起こしを作成しています。無料です。
無料ユーザーの場合、サマリーとチャプターのの生成は10日間に1エピソードのみなので、毎週配信のポッドキャストだとたまにサマリーとチャプターが生成されない回があります。
もう一つ文字起こしサービスとしては Podexも利用しています。こちらも無料です。
さらに最近、Podwiseというサービスでも文字起こしが作成できます。こちらは有料のサービスですが、だれか1人の課金ユーザが文字起こしを依頼すると、他の人は無料で見られるよいというような仕組みで、最近どなたかが、文字起こしを依頼してくれているようで、私は無料で(月4エピソードまでですが)文字起こしなどを見ることができています。(誰か知らないけど感謝です!)
BGM
何かそれっぽい音楽が鳴ればいいや、と思いインターネットからPublic DomainのBGMを探してきて、エピソード毎にコロコロ変えています。
最近は以下のゲーム用の素材サイトからBGMでかつ、ライセンスの緩いものを検索して、良さそうなものを選んでいます。
フィードバック・コミュニティ
フィードバック募集ツールとして、Google Formsを使っています。無料です。(あまり使われませんが・・)
またCosenseプロジェクト「井戸端」で、エピソードに対応したページを作り、好きに雑談できるようにしています。無料です。
ポッドキャストを始めるにあたり、何らかのコミュニティを活用することで、初期に聞いてくれる人を少しでも確保するのが、継続の秘訣かなと思いました。自分の場合は前述の「井戸端」や、Xのフォロワーさんが初期リスナーとなってくださいました。
さらに今年から、Dicordサーバ「inajob川」を作り、ポッドキャストにかかわらず私を中心としたコミュニティづくりも始めてみました。無料です。
まとめ
さて、ここまで紹介してきましたが、私がポッドキャストを始めるために払ったお金は、、マイク代の2000円弱だけです。
ポッドキャストって案外お金をかけずに継続できるんですね。
もちろん、マイクや編集は「沼」で、凝り始めるとかなり時間もお金もかかるとは思いますが、最小構成としてはこのくらいで始められるということがわかりました。
個人的に、在宅勤務や育児ということで、同僚や友人と顔を合わせて雑談する機会がかなり少なくなり、雑談に飢えていた中でたどり着いたのがポッドキャストです。
しばらく聞いていたのですが、そのうち自分でもやってみたくなり始めてみたところ、なんだかんだで1年以上続けることができています。
ポッドキャストを始めたことで、ほかのポッドキャストを配信する方との交流が増え、新たな刺激にもなっています。
この記事をお読みの皆さんも、私のポッドキャストに限らず、まずは聞くところから始めて、もし興味があればポッドキャスト配信を始めてみるのはいかがですか?