Play-a-thonに参加してきました
最終的にこんな楽器になったわけですが、、 ここに至るまでの道のりをつらつらと書いていこうと思います。
DAY2-DAY3までの内容です。
DAY3-DAY4の話はまだ今度・・
以前記事にしたように、Playathon(プレイアソン)というイベントに参加していました。
全日程終わって、やっと余裕が出来てきたので、記録を残します。まずは発表までの間の話を・・
これまでの話
イベントの概要: http://japanese.engadget.com/2014/10/13/play-a-thon-engadget-fes-egfes/
Day1 が11/6(木) 楽器工場見学
Day2 が11/7(金) アイデアスケッチ、チームビルディング、チームでのハードウェアプロトタイピング、Play#1
ココについてはこちらで記事にしました。→ http://d.hatena.ne.jp/inajob/20141108
ここまでで、チーム編成ができ、なんとなくどんなものを作るのか?がぼんやりわかってきていました。
この記事は、その後の話です。
Day2を終えて
このイベントは飛び地になっており残りのDay3,Day4は2週間後の 11/21(金), 11/24(月) となっていました。
ということで、さて、つまり僕達は11/21にもう一度あって、11/24には成果を見せないとイカンということではないか!
つまりこのイベント、実は4日 と書いてあるけれども、この間の2週間を使ってものを作れということなのか!
なんていまさらながらに理解しました。
僕達が作ろうと決めた楽器は「合体分離」出来る楽器 です。(と僕は思っていた)
実際にものが無いため、メンバーそれぞれが頭に思い描いているものが微妙に違うところが、まぁこういうのの大変な所、、
成長する楽器、とか、友達と一緒に遊べる楽器、とか それぞれが色んな物を思い描いていたと思います。
そうそう、今回僕達は5人のメンバーでこのPlayathonを行いました。
全員面識は無し、一応名前はイニシャルで書きます。
あとでちょいとアップデートしますが、僕がDay2までで認識していたメンバーの特徴とか
- ぼく: 独学でArduinoを使った楽器を作っている、本職はWebエンジニア。男性w
- Nさん:どうやら僕と同級らしい男性、本職はエンジニア。Arduinoはちょっとやったことある
- Aさん:年齢は秘密(まぁ僕よりは上だ)、男性、エンジニア。MIDIの規格とか、音周りのHWとか詳しい、回路もいける
- Oさん:社会人歴1年位のデザイナーの方。3Dプリンタ経験者
- Hさん:SIっぽい業界のエンジニアの方、女性。Arduino経験あり?、いろんな勉強会とかに行ってるとかアクティブ!
今回のPlayathonではいわゆる「音楽家」の方たちもいらっしゃったのですが、うちのチームには何の因果か、ほとんどがエンジニアで固まったチームとなりました。
さてさて、
ということでDay2が終わり、静岡から東京へ、、 Oさん以外は東京組だったので、帰りの新幹線でいろいろと計画を立てる。
まぁともかくDay2が金曜だったので、この土日にいろいろと調べたり、試作したりしたいねと話していました。
それから、今回のためにFacebookグループを作って、それでやり取りをしようということを決めました。特にOさんは東京ではないので、決まったことや作業の進捗、相談事などもそこで、という感じに決めました
Day2の翌日 11/8(土)
で、翌日土曜。まぁ起きれないよね、木、金と割と夜も楽しく話してたし、、 起きたら12時でした、、 まずはダイソーへ、、
セロハンテープ、ねんど、電池、強力な磁石、グルーガン
もろもろ購入。
この時にちょうど、リングノートを購入しました!
明和電機の土佐さんのスケッチがかっこよかったので、こういう時は新しくノートを作って、それにまつわる思いつきや、設計や買ったもののレシートやら、全部記録しよう とかねてから思っていたのです。
(これはすごく良かった、いまこの記録もTwitter、Facebookと、このノートを読みながら書いています)
この時は合体分離楽器の回路は大体頭の中では完成していて、 まぁなんとか理論的には出来そう という状態
目下心配なのは筐体と、「合体分離」をどうやるか? ということでした。
筐体はまずは大きさ感です。近くのホームセンターでいろんな塩ビパイプを持って、感じをつかみつつ、Day2で作ったハードウェアプロトタイプが、ちょうど紙コップを2つひっつけた大きさだったので、それをベースに、径40-50mmの筒状の楽器にして、それを立てにつなげていけるようなものが良いんじゃない? なんて話していました。
合体分離については、LittleBitsを知っていたので、まずは「磁石」でぱちん とひっつくようなコネクタが無いか?と思いつつ、、
家にあったダンボールと、100均の強力磁石を使って、磁石でひっつくプロトタイプを作ったりしていました。
また、合体分離する楽器としての、最小単位として、3つ、または4つボタンがある筐体を、、 という話をしていたので、さて、このボタンを押すとどんな音がなるのか、、 ということも考えなければならない、、
多分「和音」と「パーカッション」にしたら良いんじゃない? なんてぼんやり思いつつ、、じゃあどの和音が弾けるとよいかな、、そしてこれだけの和音で何の曲が演奏できるかな?、、 などもFacebookで議論しました。
11/9(日)
さて、翌日日曜 11/9 秋葉原に向かいます
メモによると、、
- 接点の部品探し
- 押しボタンの候補を探す
- ユニバーサル基板、ケーブル
を買うのが目的(だった模様)
Nさんと僕とで秋葉原をうろうろ、鈴商では「スプリングプローブ」なる バネのようなピンヘッダを紹介してもらい、「これで行けるかな?」なんて思ってました。
合体できる楽器をどのように構成するかの案として
- それぞれの部分にCPUをもつかどうか?
- 有線で接続するか、接続をセンシングして無線で接続するか?
という選択肢がありましたが、 回路設計はどケチな僕だったので
CPUはマスターモジュールに1つ(Arduino)、接続は有線 に決めました。
と、こうなると回路としては簡単、
シフトレジスタを各モジュールに入れて、ArduinoからSPIみたいにクロックとデータを受け入れるようにするだけです。
何台つながっているかをCPU側から動的に取得できるとかっこいいな、、 とおもいつつ、この時は具体的な方法を思いつけずに居ました
とりあえず74166をたくさん買いました(パラレル->シリアル)
別チームですが「ウマイダー」なる某10円の駄菓子で構成する楽器を作ろうと奮闘しているチームのYさん(デキる大学生!)とたまたま秋葉原で合流したので、そのまま3人で3331に移動して、お互いどんな感じになってるか、、などの情報交換をちょこちょこしました。
ヤマハで紹介されたeVY1シールドをOさんが購入していたので、それの使い方を調べたり、なんだかんだと話していたら、良い時間になったので、帰りにYさんとご飯を食べ(なんかこうおっさんっぽい会話や未来的な会話をして)日曜日は終了でした。
平日のはじまり
さてさて、月曜日、まぁ普通に仕事なので、仕事に行き、、、と、磁石です、、もう少し磁石が欲しい、、 しかし仕事終わったら遅くなるし、、 と思って調べていると なんとうちの近くのダイソー夜10時まで営業!!
割とギリギリだったけど月曜日仕事後にダイソーに行き磁石をしこたま買い込みました。
11日、帰宅後、買ってきたスプリングプローブは2.54mmピッチで、バネの幅もかなり狭いため、相当精度よく加工しないと、楽器の「合体分離」機構が成立しないことがわかりました。
3Dプリンタやレーザーカッターで部品を作るとはいえ、そんなに合わせられないだろう、、、 とおもったので、もう少し大雑把に、バネを両端にくっつけて、磁石で筐体を引き合わせることで、間のバネで導通出来ないか?
という実験を行いました。
2接点だけど、、 まぁ一応導通する、、、 かな? みたいな感じ
このあたりで、僕は磁石でひっつけて、かつ間のコネクタを導通させることがかなり難しいことに気づき始めました。
まぁ最悪Arduinoみたいな長めのピンでぐさっとやる方法も視野に入れておこう、、 なんて思い始めます。
そうそう、このあたりで「これってLittleBitsと似てるのでは?」なんて話をFacebookでしていたら、YAMAHAの方が貸してくださるということで、東京組はその週の金曜日11/14に渋谷のYAMAHAのオフィスにおじゃまして、楽器の相談とLittleBitsの貸出をさせていただくことになりました。
このあたりで少し各々の特徴がわかってきます。
- Nさん:どうやら僕と同級らしい男性、本職はエンジニア。Arduinoはちょっとやったことある、アコーディオンを演奏できる!
- Aさん:年齢は秘密(まぁ僕よりは上だ)、男性、エンジニア。MIDIの規格とか、音周りのHWとか詳しい、回路もいける、平日昼間も割と自由に動ける!
- Oさん:社会人歴1年位のデザイナーの方。3Dプリンタ経験者、 レーザーカッター、3Dプリンタが扱える!
- Hさん:SIっぽい業界のエンジニアの方、女性。いろんな勉強会とかに行ってるとかアクティブ! Arduino経験あり、いやいや結構すごいもの作ってる(電気オウム?)
平日はさすがに集まって会議とか出来ないので、その週の日曜日に、DMMAkibaで会議しよう!と決めたりもこの週に行いました。(ちょうどDMMAkibaオープン時にお邪魔してたので、あそこが使えると知ってとても嬉しかったw)
遠隔地にいるOさんが3Dプリンタとレーザーカッターを使える職場だということで、それに甘えて、筐体を作ってもらおう!ということで筐体の案を出し始めました。 組み立てやすさ、シンプルさ、と作りやすさ、を考慮して「かまぼこ型」 と伝え、スケッチの写真などをばしばしFacebookにあげました。
「合体・分離」を実現するために、Aさんはこの間、秋葉原で、コネクタや、スイッチなど、この楽器を作るために必要なものを探していました。そうする中で「車の電気ケーブルを止めるコネクタ」「キーボードスイッチ」を発見したのです!
11/14(金)
この日はOさんが3Dデータを完成させ、レーザーカッターで第一試作機を作成し、写真をFacebookにあげてくれました。
MDFの独特でなんとなく楽器っぽい感じの物体が写っている写真で、見てかなりテンションが上がりました。
実際作ってみるとちょっと予定していた寸法では扱いづらい大きさだということで、ここで微調整をしようみたいな打ち合わせを行いました。
夕方、仕事帰りから、渋谷のYAMAHAオフィスに立ち寄りました、僕とAさん。+遠隔でOさん(skype)。
コンセプトをもう少し固めたほうが良いねということをアドバイスいただき、 はっと振り返ると確かに「作る」ところにばかり目が行ってしまっていたなぁ、、 と思い、YAMAHAの技術的なメンバーの方が集まっていただいたのにもかかわらず、この時間はもう一度僕達がどんな楽器を作ろうとしているのか、ということを整理する時間となりました。
このときは「合体・分離」する楽器は、そうなのですが、コンセプトとしては「成長する楽器」と、しており、さて「成長とは?」とか「どんな人が演奏することを想定しているのか。子供?大人?」みたいなところをもう少し詰めていきました。
さてさて、このあたりでだんだんと作るものも見えてきたので「デモ」をどうするか?なんてことを考え始めました。
「合体・分離」する楽器でどんなデモをすれば良いだろう?
そのデモで何を見ている人に伝えようか、、、 と4コマみたいなものをスケッチブックに書いていました。
しばしの休息 11/15(土)
さて週末11/15(土)は僕はちょっと別の用事があって会社の同期と勉強会みたいなことしてました。(といいつつ、楽器についてのアドバイスをもらったりしてました)
11/16(日)
11/16 日曜日、ちょっと1日頭が切り替わったので、もう一度整理しよう、ということで Blenderで現在の楽器のイメージ図を作成し、みんなに共有し、認識を合わせます。
それから、どんな「音」が出るかというところがイメージ出来ていないと、、 ということでiphoneで動く和音のなるWebページを作って(昔似たようなものを作っていたのでそれをちょちょっと改造)、ミーティングでみんなでイメージできるようにと準備しました。
ミーティングでは、僕の作ったアプリやNさんのアコーディオン演奏でまだ出来ていないこの楽器の「音」を想像しつつ、プレゼンの内容を考えたり、どんな可能性があるか、 ということを考えたりLittleBitsで遊んだり、 回路を組み始めたり とバタバタしてました。
このあたりからAさんはコネクタと筐体の「合体分離」部分のアイデアを次々出してこられ、組み木のように筐体を加工することで勘合させ、ずれなく、まっすぐにコネクタが刺さる筐体のデザインをはじめました。
ちょうど遠隔地に居るOさんだけが3Dプリンタやレーザーカッターが使える状況で、東京組としても、筐体の調整ができると良いのに、、 と思っていたところだったので調度良い! ということで、Aさん初めての3Dプリンタ!に挑戦 という運びとなりました。
再びの平日
11/17 月曜日 仕事を終えて家で回路を設計しました。
まぁシフトレジスタを使ってたくさんのキーボードの入力を取り出す回路は何度か作ったことがあったので、それが合体分離するだけだろう、、ということで回路はささっと、、ブレッドボード上でも問題なく動くものが出来ました。
あとは残った部分を、、 ということで
- コネクタ部 Aさん(東京)
- 筐体本体 Oさん(遠隔)
- 回路 ぼく(東京)
あ、CPU入れるところとか、電源とか考えてなかったや、、ということで其の部分のアバウトな設計をOさん、Aさんに伝えたりと、そろそろ完成に向けてバタバタとし始めます。
筐体、コネクタもどんどんとブラッシュアップされ、序々に完成が近づいてきているような、、
コネクタ部に関しては個人的にはそろそろ完成して欲しいのだけれど、、 これが上手く作れないと、回路があっても動かないよー
なんておもいつつハラハラしながらAさんの成果を見ていました。
筐体もMDFをレーザーカットしていたものから、3Dプリンタを使ったものに切り替え、コネクタ部分と上手く結合できるような設計を詰め始めました。
11/19 水曜日
このあたりで東京で設計したコネクタ部と、遠隔でデザインされた筐体が、1つになりました。(データを飛ばして両方出力して、そこで組み上げた)
3Dプリンタのおかげで、データとして物体をやり取りできることにすごく感動しました。
そして、この辺のタイミングで11/21(金)の具体的な日程などが発表されました。
「やった11/21はほとんど自由に使える! 作業が出来るね!」(※発表は11/24です)
このあたりで土、日の作業を確信しました。
そういえば楽器の名前を決めてない ということでみんなで楽器の名前を決めよう という投稿をこのタイミングでしていました。
11/20 木曜日
ブレッドボードで動いていた回路をちゃんとユニバーサル基板に実装しました。仮でタクトスイッチにつなげて、音がなるようなデモを作って、Facebookに動画投稿しました。これを3セット作れば回路はOK
3セットできたのはこの日の深夜でしたがw ぼくもまぁギリギりだ。。w
Arduinoも作る気で居ましたが、eVY1シールドを使うことを考えると、ちゃんとしたやつを使ったほうが良いなということでYAMAHAさんに貸してー ってリクエストしました(助かりました!)
ちなみにこの日、まだコネクタの形状をいじっているAさん、、 心配・・
まぁ先回りしてプレゼン用の資料とか、デモの構成とかを決めよう、ということでHさんにたたき台を作っていただく話を、、こんな時期に始めていますw(おしおしな日程・・)
Day3
11/21 金曜日
有給を頂いてDay3に参加!
まぁうちのチームは瀕死のスタートです。
他のチームはまぁそこそこの落とし所見つけてよしなにやってるんでしょ、、 と思って周りに話してみた所、全くそんなことは無く、、Oh,, どこも修羅場ですね
一応DAY3も最後にPlayという発表をする場があるので、それまでは好きに作業してくださいというスタイルでした。
僕は作った基板を筐体に組み付け、 コネクタに必要な配線を施し、、 ととりあえず仮組みを完成させる、、、
筐体はこのときもう完成版ができていて、とりあえずArduinoと結合すれば音がなるはず!
という感じでした。
ただ、、コネクタが上手くいかないことが多く、もちろん抜き差しを繰り返すとおかしくなるし、 さした状態でも、若干接続が怪しい みたいな状態で、なかなか思うように結合することが出来ません・・
結局この日の発表は 1台だけ音がなる筐体が出来たので、それを見せつつ、残り3台はとりあえず鳴らないけど持っておく、という方法でスマートフォンから音を出してアテフリのデモを行いました。デモの後には皆さんからアドバイスなどをいただきました。
ちなみに半分以上のチームがこの段階ではまともに鳴らない状態でした、 16:00〜と言っていた発表時間も結局1時間位ずれました;
で、そのあと頂いたアドバイスを噛み締めつつ、打ち合わせ、そして懇親会、、
っていいつつうちのチームは懇親会というよりは会議をしてましたw
プレゼンで「成長」という言葉を使ったが、ちょっと意図したとおりに伝わらないので、伝え方を変えよう。とか
プレゼンの形式がわりとがちに「演奏」を求めているということを(このタイミングで!)認識したので、 音楽家がたくさんいる中、うちらはどうすれば良いんだ!見たいな話とか、
そもそも楽器がまだ完成していないぞ、どうする・・ みたいなはなしとかしてました。。
さてさて、土日があっての月曜日発表だけど果たしてどうなるのか・・・