Play-a-thonに参加してます

http://japanese.engadget.com/2014/10/13/play-a-thon-engadget-fes-egfes/

ヤマハの工場見学付き:新しい「楽器」を作ろう!
というイベントが開催される ということで、ただ今絶賛参加中です。


もともと、RakuChord (http://inajob.dip.jp/twlogin/data/5643382:%252Fprojects%252Frakuchord.html ) なんていう電子楽器を趣味で作ったりしていたので、会社の知り合いから「行ってこいよ!」みたいな感じで教えてもらい、申し込んだ所、抽選ということでしたが、参加できることになりました。
(なんとなく倍率高いんじゃないか?と思ったりしていたのですが、よくよく考えると 木金といった日程だったり静岡まで移動しなきゃいけなかったりと 参加のハードルは高かったのかも)

浜松駅にて

なんかアーティストとか企画を持ってる方 みたいなのも来るらしいからひょっとしたらawayな感じかなぁ、、 なんて心配しつつ、新幹線で浜松まで移動し、集合時間少し前にブラブラしていると、 どうも「同じ匂い」の人がちらほら・・ ちょっとひょろっとしててなんならメガネをつけていて、、 みたいな

キョロキョロしていたからか、「playathonの参加者の方ですか?」なんて呼びかけられて、少し早めに参加者の方と話していました。

で、集合時間になりバスへ、、 ヤマハの工場に行くまでの間、自己紹介をみんなでした後に少し残された時間で隣の方と雑談。 どうやら隣の方もおなじくWeb系の会社の方だそうで、、 しかしMaxが得意な言語で、物理的なモノづくりが主な業務だったりとか・・ 微妙に似ているようで違うような・・

ヤマハ管楽器工場

外から見た感じは普通の工場、中で楽器を作ってるかなんて全然わからないような建物でしたが、 中に入ると大量の金管楽器の部品が!

工場ってあまり見たことがなかったのですが、 でもかなりにんげんとキカイが力を合わせて楽器を作っている印象を強く受けました。

強い力を加える必要のあるところや、高速回転や単純な作業は機械にまかせ、逆に正確性や、感性みたいなものが求められる部分では惜しみなく人が手で作っているという感じでした。

管を曲げる際に一度へこませて、曲げやすくしてから曲げ、曲げた後に水圧で管を押し出して、元の形に膨らませるというバルジ加工 という工程が、印象に残っています。

また、バルジ加工が出来ない時代にはどうやって曲げていたのか?と言った話も目からウロコな感じでとても勉強になりました。

品質チェックの担当の方が、見学者サービスでかっこいい演奏してくださったりと、 楽器好きな方が従事されているのが印象的でした。

ヤマハギター工場

工場の中も驚きがたくさんありましたが、案内してくださった工場のエライ方のお話がとても印象に残っています。
たとえば・・

  • 技術の伝承の難しさと、自動化・効率化
  • これからの楽器工場のあり方の模索
  • 楽器製作の工業化について

また参加者との質疑の中で 「音響などを完全にシミュレーション」し完璧な楽器を作るれないか? といった話になり、そこから「良い音とは?」と言った 音楽の深い部分の話が聞けたのも面白かったです。

ホテルへ

ホテルについて30分も休まずに夕食。
せっかくなので周りの参加者の方と話したりして、デザイナーの方やアーティストの方も居ることを確認。
とかやっているとヤマハの電子楽器周りの偉い方からのお話。
楽器の構成要素としてUI+音源+増幅がある。といったはなしはRakuChordを作っていて自分も感じていたので、かなりすんなり頭に入ってきました。
また、かつてヤマハで作っていた、あまりうまくいかなかった「新しい楽器」の秘蔵の動画などを見せていただき、「新しい楽器」を作ることの難しさや、楽しさなどを感じました。

その後、今回のPlayathonで利用させていただくことの出来る要素技術の紹介がありました。
なんとなく大学に居た頃に聞いたことがあるようなものがおおく(もちろん、それが実用レベルで提供されてるってのはすごいことなのですが)、そうだよね、そういうのあるよね って印象でした。

夜のディスカッション

ちょろっと風呂に入ったりした後、寝るまでの間 ヤマハの方などと雑談をしていました
本当に雑談です。
覚えてる範囲で箇条書き

  • 楽器の楽しみ方はいろいろある。人に発表する とかではなく、単に演奏していて楽しい、 みたいな楽しみ方もあるが、そういった楽しみ方のモチベーションを分析してみたい
  • CDやmp3が普及した今、音を奏でるのは楽器である必要はなくなり、いよいよ楽器はエンターテイメント化したのではないか? そうなってくると実は音ゲーみたいなものが究極の楽器のスタイルだったりしないか? そもそも楽器って?
  • RakuChordを見せびらかしたり
    • スイッチがデジタル2値だが、これによってどんな制約が生じているか? アナログ入力が取れるようにするとどうなるか?
    • 五度圏で並べるべきか?
  • 社会はどんどん効率化・最適化していって、果たしてそれで世界は幸せになっているのだろうか?
  • 楽器の楽しみ方の中には マゾいものがある
  • 刺し身にたんぽぽを乗せるタイプのマゾさではない
  • ストレスがある程度かかっていないと、人間は生きていけないのではないか?
  • 新しい働き方の話
  • 古い楽器を解析して仕組みを調べて、同じものを自力で作ってみるのが楽しい
  • 電子工作的には、なるべく入手性の高い部品で、 無理なく 誰もが作れるような設計にしたい
  • 古くて新しく、 新しくて古い 先人の道を自分も歩む楽しみ
  • 和音が何故美しいのかみたいな話とか
  • 人の生活・社会の状態と楽器の関わりあい
  • 楽器の学習曲線と流行り方に相関があるのでは?
    • ウクレレは入門しやすい
    • トライアングルは入門しやすいが、その先で難易度が急上昇する?
    • どんな学習曲線の楽器があると面白いか?

まだ他にもたくさん話した気がするけど、、 また思い出したら書き足そう
翌日もあるのでそこそこに就寝

Day2

朝起きてしばらく、部屋のメンバー(チームとは違う)と雑談。
なぜか宇宙とか物理の話になってたような・・ もちろん楽器ネタを絡めつつ・・
こういう話は大学の時にはよくやっていたけど、、 久々だ。

いきなり15分でアイデアスケッチを作り上げる(僕は8枚くらい 割と堅実そうな楽器を書きました)
(関係ないけど初めてコピックを使いました)

これをみんなで説明し合い、その後チームビルディング。

まだあまりお互いのことがわからない人が多く、ゴタゴタしましたが、 僕は前日にRakuChordを見せびらかしていたこともあってか、「一緒にやろうよ」と誘っていただき、わりとすっとチームが決まりました。

その後、チームのみんなでアイデアスケッチを再度見て、組み合わせパターンだったり、各々どういうこだわりがあるのか?みたいなのを聞いたりして、さて僕達は何を作るのか・・・ みたいなことを議論しました。

僕の居たチームはまぁ、僕が居たりするもんで、ついつい「下から」のアプローチになり、「上から」のストーリとどうやって結びつけるか というのがかなり難しい感じになっていました。
うーん、、、とチームで頭を悩ましていると、「ともかく、どんなものなのか大きさ感などを知るためにハードウェアスケッチをつくろう」ということで、 発泡スチロールや、ペットボトルや紙コップなどを駆使して、それっぽい大きさの、それっぽいボタンなどがひっついた、 楽器の外見 を作りました。

そして、これを使って動画を取るというのをやりました。
これがなかなか、馬鹿に出来ない・・

まだモックで何も動作しない楽器を、さも動作するかのように操作している映像に、既存の楽器でアテレコみたいなことをして、ビデオを作成し、それをみんなで客観的に見るのです。

「お、楽しそう」とか「いやこれは。。。○○すれば良いんじゃね?」 みたいな意見が、こういうビデオを見ると、より具体的に出てくるようになりました。

そんなことを繰り返しつつ、なんとかチームメンバーの中で「これなら価値があるし、作ってみたい・演奏してみたい」という楽器がだんだん決まってきました。

途中何度も、脱線したり、止まったりしてしまいましたが、その都度ヤマハの方や、アーティストの方が親身にアドバイスを下さり、 特にヤマハの方はこういうディスカッションに慣れている感じで、的確なアドバイスや、質問などを下さり、脱線した状態戻したり、止まっている状態を動かすためのテクニックがあるのだなと感じました。

そんなこんなで、まぁなんとなく作るものはきまって、イメージも付いたけど・・・
さてこれどうやって作るんだろう・・・


みたいなところでDay2終了

帰りにちょっとチームメンバーで夕食兼打ち合わせをしましたが、なかなか先行き不安です。
はてさて、どこまで思い描いた楽器が作れるのやら・・ 乞うご期待

全体として

非常に満足度の高いイベントです(まだ途中ですが)
特に僕自信、楽器作りに対する問題意識というか、自分事としてとらえることができていたというのも大きいのかなと思います。

実際に未知の新しい楽器を作るというのをチームでやってみて、 頭だけで考えて口で説明しても、認識がずれてしまう事を実感しました。そのためにハードウェアプロトタイピングや、動画を撮ってみるなどのアプローチをやってみて、 実は自分の中でもつじつまが合っていない部分があることに気づく みたいなことが多くありました。 プロトタイピング大事。

また、運営の方々が超優秀で、今回の30分刻みのどう考えても破綻しそうなスケジュールを上手く回し、 かつ参加者をなんとか目的地まで連れてこられるのが本当にすごいと思いました。

さて、あれどうやって作ろうかなぁ・・