ベランダ家庭菜園2021

我が家は角部屋なので、結構広いベランダがあります。ということで2年前からベランダにプランターを置いて「家庭菜園」を始めています。

 

と言ってもかなり小規模ですが、1つの丸プランターと、袋のまま育てることが出来る土を購入し合計2つの鉢を使って野菜を育てています。

2021年のターゲット野菜

一つは定番のミニトマトもう一つは初挑戦の「オクラ」にしました。

また「ミニトマト」の鉢には「バジル」も合わせて植えてみました。

調べると野菜によって「相性」があるらしく、「ミニトマト」と「バジル」はそこそこ良い相性のようでした。

4月

例年植えるのが遅くなっている、、ということで今年は4月初旬に植えました。後から振り返るともう少し遅くから始めても良かったかな?という印象です。

土はカゴメのトマトの土です。この土は何といっても「燃えるゴミ」として捨てることが出来るということで、都会での家庭菜園にはぴったりです。また、この袋自体を鉢として利用できるところも良いです。

 近くのホームセンターでは入荷数が少なく、すぐ売り切れてしまうので、そういう意味では4月初旬に植え始めて良かったです。

 

トマトの苗は、「接ぎ木」のものを選択。接ぎ木のほうが育ちやすく失敗しずらいようです。品種は「ミニキャロル」。そして横には「スイートバジル」の苗を植えました。

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ミニトマトを育てる際に必要な「手」は例年使っているものがあるので使いまわします。「手」にミニトマトを括り付けるための「PPロープ」、「液肥」「水やりのためのバケツ・ペットボトル」なども例年使っているものがあるので、買うものは最小限にして始めることが出来ました。

3年目でわかっている知見

今年で3年目ということで、ベランダ菜園のTipsもそこそこ溜まってきました。

  • マンションの上の方の階なので風が強い。日当たりを求めて鉢を配置すると風でダメになる。
  • 育ち始めは風除けネットが有効、ある程度育ったら外してOK
  • ミニトマトは「接ぎ木」の苗が失敗しずらい
  • 水やりをやりすぎると根腐れする

などなどです、今年はこれらの知識を生かしてベランダ栽培を始めたのでスムーズに育てることが出来ました。

5月

もう一つの鉢でオクラを育てることに。「プランターでも育つ」と書かれた苗を購入。

オクラの根っこは下に長く伸びるらしく、少し深めのプランターを推奨とのこと。

一方ミニトマトはぐんぐん成長し、ひとまず第一段階は成功の様子。

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そして5月下旬に衝撃の事件が・・

ヨトウムシ襲来

ある日バジルを見ると葉っぱにかなり大きな穴が!!

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これは植物の病気などではなく、なにか芋虫の仕業だな、、?と思って周りを調べると、、、大量の糞を発見!!これは確実に芋虫・・・

 

そして葉っぱを裏返してみると・・・いました!巨大な芋虫。

という事で退治できましたが、バジルは結構食べられてしまい、見るも無残な姿になりました。

ハーブ系は虫よけにもなるという事でミニトマトと一緒に育てていたのですが、まさか、そっちの方が芋虫にやられるとは・・・ ベランダでプランターで育てているので、虫の被害などはあまりないだろうと油断していたのですが、がっつりやられてしまいショックでした・・

強風でミニトマトがの枝が折れる

ちょうどこのころ結構強い風が吹く日があり、ミニトマトをしっかり紐で固定していなかったために、枝が折れてしまうという事件がありました。

端の方の枝ならそのまま折って捨ててしまうところなのですが、比較的大きな枝の根元が折れてしまい、これもショックでした・・

しかし、ダメもとで折れた部分を元に戻してガムテープでぐるぐる巻きにしたところ、持ち直し、結果としてその枝の先にも実が成りました。

ミニトマトの生命力に驚かされました。

6月

虫食いにも負けずバジルはぐんぐん成長し、花をつけました。後から知ったのですが、バジルは20㎝くらい伸びたところで、枝先をはさみで切ってあえて枝を分岐させることで収穫量を増やすことが出来るようです。

葉っぱが目的のバジルは、花を育てる必要が無いため、花の部分も早めにカットするのが良いようです。次育てるときは忘れずやりたいです。

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バジルがあることで、献立もバジルを使ったものにしてみました。

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ちょっと食卓がおしゃれになりました。新たな食材というのは良いですね。

 

ミニトマトもぐんぐん成長し私の身長くらいまで伸び、6月下旬には中旬には実がなり少しずつ食卓にミニトマトが並べられるようになってきました。

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オクラも少し変化は少ないものの順調に成長し6月下旬に1つ収穫することが出来ました。1つの苗だと、同時には1つしか実がならないようで、どう食べたものかと困りました。次回育てるときは複数の苗を育てるのがよさそうです。

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7月

ミニトマトは7月下旬にはもう、後半戦という感じで、小さな実が増えてきました。もう少し間引いても良かったかもしれません。

実を大体取りつくしたところで、枝をはさみで短く切って、今年のミニトマトは終了です。結局実は100個以上できました。今年も大成功です。

 

バジルはまだまだ育っているので、引き続き育てていく予定です。

オクラ粛々と1つずつ実をつけていくスタイルで、8月もまだまだいけそうです。

 

ここまでのまとめ

ベランダ菜園も3年目ということで、うまく作れるようになってきました。今年は初めて「オクラ」を育てたり、ミニトマトと一緒にバジルを育てたりし始めましたが、そちらも順調です。

まぁ実際にかかった費用を考えるとスーパーで買ってくる方が絶対良いのですが、趣味としてのベランダ菜園というのは思った以上に面白いものです。

 

1歳の娘もいることですし、食育的な意味でもベランダ菜園を続けていきたいです。

メカニカルキーボードK66のためにQMKをビルドする

これは何?

カニカルキーボードK66を手に入れて、レビューしましたが、ただ普通のキーボードとして使うだけでは面白くない・・

inajob.github.io

ということで自作キーボードでよく使われるキーボード用のファームウェアであるQMKをK66でも利用する方法があるようなので、挑戦してみることにしました。

 

あらかじめ断っておきますが、このページの手順を真似てキーボードが文鎮化してしまったとしても、私は一切責任を負いませんので、試してみる方は自己責任でお願いします。後述しますが、同じK66でもこの手法が使えないものも存在するようです。

 

情報源

Wormier Docs - Wormier Docs

このURLにアクセスするとK66で利用できるQMKのビルド方法などが紹介されています。現在もアクティブに活動しているので、以降の記事の内容は古くなっている可能性があります。最新の情報は上記のURLなので、実際にK66用にQMKをビルドしようとしている方は、上記URLを参考にするとよいと思います。

 

QMKをそのまま利用できないのか?

QMKの本系は特定のプロセッサ向けに作られており、AVR(ATMega32u4)やARM(STM32系)などメジャーなマイコンの場合は本家のQMKそのまま利用できることがほとんどです。

また、自作キーボードの場合は自分で利用するCPUを選ぶので、QMKの対応しているCPUを選ぶでしょう。

しかし今回は既製品であるK66です。このキーボードに搭載されているのはARM Crotex-m0のIC 「VS11K15A」です。

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全く聞いたことがないICですが、これはeVisionという会社の物らしく、さらに調べるとSonixという会社のSN32系のICと互換性があるようです(全く同じでマーキングが違うのか、互換性のある別物なのかは自分はよくわかってないです。)

 

ということでSN32系のIC用にQMKを移植する必要があります。

先人の歩み

はっきり言ってこの作業、自分にはお手上げです。普段はArduinoでぬるま湯開発しているので、ARMの、しかも聞いたこともないメーカーのICなんて何から手を付けて良いかわかりません。

 

しかし、今回は先人がいます。はじめに紹介したURLの内容の通りに進めれば、K66用のQMKがビルドできるという事なので、その手順に従って作業していくことにしました。

ICの書き換えはどうやるの?

一般的にはこのような組み込み用のマイコンファームウェアを読み出したり、書き込んだりするためには、ICSPとかJTAGとか、そういう書き込み用の端子に専用の書き込み器を接続することが多いです。K66の場合もどうやらJTAGが利用できるようですが、先人はもっと簡単な方法を発見していました。

 

HIDデバイスとして認識されているキーボードに特定のシーケンスでアクセスすることで、書き込みモードに切り替えるという技により、専用の書き込み機などを使わずにファームウェアの書き換えを実現しています。

womier-flasher/main.py at master · wormier-docs/womier-flasher · GitHub (この行ですね)

この機能はオリジナルのK66のファームウェアに実装されているのだと思います。(確証は無いです・・)

Jumploader

さて、ICの書き換え方法がわかりました。それっぽいファームウェアを作って、早速書き換えてみたいのですが、下手なファームウェアを書き込むと速攻でキーボードが「文鎮化」してしまいます。

文鎮化しても、何度も書き換えて試せばよいじゃない?と思われるかもしれませんが、前述した書き込みモードへの切り替え機能自体を壊してしまうと、もう簡単に書き換えることが出来なくなってしまいます。

(おそらくJTAGなどを使えば、この状態からでも書き込みできるとは思いますが、はんだ付けや専用の器具が必要となります。)

ということで、役立つのがJumploaderです。マイコンのブート時に実行される先頭部分にこのJumploaderを書き込みます。このJumploaderはキーボード用に最適化されており、通常起動時は何もせず素通りし特定の番地のプログラムへジャンプします。

しかし、マイコン起動時にBackSpaceを押しっぱなしにしておくことで、書き込み待機状態になります。

 

このJumpLoaderさえうまく書き込んでしまえば、変なファームウェアを書き込んでしまっても、BackSpaceを押しっぱなしにしてUSBケーブルを抜き挿しすることで、書き込みできる状態に出来ます。

 

ソースコードはこれっぽいです。 GitHub - xyzz/sn32f260-keyboard-bootloader

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WomierFlasher

さて、ここまでの流れをワンタッチで実行することが出来るソフトウェアが公開されています。それがWomierFlasherです。

「オリジナルファームウェアを書き込み待機状態に切り替える」「Jumploaderを書き込む」「オリジナルのファームウェアを書き戻す」「QMKのバイナリを書き込む」

といった作業がGUIでポチポチで実行できます。

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QMKのビルド

さて、ここまでわかれば後はK66用のQMKをビルドするだけです。といいつつ、ここで無茶苦茶ハマってしまいました。

どうも、ARM用GCCのバージョン依存によるもののようで、誤ったバージョンだと、ビルドが失敗したり、ビルドはうまくいくが、完成したファームウェア何かおかしいというようなことが起きました。

 

何かおかしいというのは、症状はいろいろあるのですが、、「初めに押したキーが押しっぱなしになってしまう」「LEDのアニメーションが停止し、キーボードとしても無反応となる」などです。

 

さて、どうやったら正しいファームウェアが作れるのか・・いろいろな組み合わせを試してみました。

SN32用のQMKの系譜

smp4488/qmk_firmware

https://github.com/smp4488/qmk_firmware/tree/womier-k66-rgb-support/keyboards/womier/k66

これがQMKからforkされたSN32用のQMKです。

 

SonixQMK/qmk_firmware

https://github.com/SonixQMK/qmk_firmware

さらにこれ、名前的にはこれがSonixのIC用のQMKのリポジトリのように見えます。(しかしここにはK66のサポートはありません。)

 

toastdb/qmk_firmware

https://github.com/toastdb/qmk_firmware/tree/womier_k66

そしてこれです。このtoastdb/qmk_firmwareがいま一番アクティブに開発されているリポジトリのように見えます。

 

また、このキーボードに搭載されているサイドLEDはまだ制御できないようで、絶賛開発中のようです。(もしかしたらサイドLEDが動くブランチがあるかもしれません)

ビルドできた組み合わせ

前述のQMKのリポジトリの中で自分がうまくビルドできたのは1つ目のsmp4488/qmk_firmwareと3つ目のtoastdb/qmk_firmwareでした。

 

ビルド環境の再現性を保つためにDockerで環境を整備することにしました。QMKのインストーラがインストールするARM用のGCCが期待したバージョンとは違うため、別途ダウンロードした古いバージョンのARM用GCCをインストールする必要がありました。

 

細かい手順はgistにまとめました。

gist.github.com

K66のDiscordにはtoastdb/qmk_firmwareの作者の方がいて、どうもこの手順のGCCとは違うバージョンのようなのですが、自分の場合はこの手順でないと何か動作のおかしいファームウェアが生成されてしまいました。

 

ただ、ごくまれにキーボードが固まってしまう現象が発生することを確認しています。K66のDiscordでは、このような問題を話題にしている人がいないことから、なにかこの手順に問題があるような気がしていますが、まだ原因不明です。

何かわかればこのページを更新しようと思います。

QMKで遊ぶ

ここまでくればQMKを使った自作キーボードと同じようにキーをカスタマイズすることが出来ます。

自分はFn+Spaceを「かな」、Fn+右Altを「英数」に割り当てて、簡単に日本語入力の切り替えができるようにしてみました。結構便利です。

この手順を試す際の罠

Discordでいろいろな方の話を見ていると、同じK66でも搭載されているICが違うものがあるようです。この場合はこの記事の手順は利用できません。

(特に私が紹介しているBanggoodにおいても、同じICのものが届くとは限らないと思います。K66を購入した方は、ぜひ私にどのICが搭載されていたか教えてください。)

まとめ

カニカルキーボードが触ってみたくて買ったK66ですが、思わぬHackが楽しめました。調べていく中で、JumploaderSN32用の移植K66専用の対応、、と様々な人たちの功績の積み重ねがあることを知りました。

ARM系のマイコンを深く触ったことがなかったのですが、まだまだ勉強が必要だなと思いました。ちょっとソースコードを見たところChibiOSというRTOSを使ってマイコン間の差異を吸収しているようでした。ChibiOS・・ 学ぶことは多そうです・・

 

Arduboy FX Mod-ChipによるArduboyのFX化

Arduboy FX Mod-Chipとは?

Arduboyというのは、皆さんご存知「クレジットカードサイズの携帯ゲーム機」です。

クラウドファンディング発祥で、オープンソース、誰でもゲームを作ることが出来るため世界中で多くの人に愛されている素敵な携帯ゲーム機です。

 

そんなArduboyですが、最近新しいバージョンである「Arduboy FX」が登場しました。

Arduboy – Buy Now

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Arduboy FXはArduboyにFlashメモリチップを追加したものです。通常のArduboyでは、パソコンから書き込んだゲームを一度に1種類しか持ち歩けないのですが、Arduboy FXでは、このFlashメモリチップのおかげで、200種類以上のゲームを切り替えながら遊ぶことが出来るのです。

 

Arduboy FXの元となるアイデアは、Arduboyのコミュニティから生み出された「FlashCart」を基にしています。

以前、私もFlashCartを入手し、このブログでも以前紹介しています。

inajob.hatenablog.jp

Arduboy FXは、機能的にはArduboy FlashCartと同じなのですが、今までのArduboyの大きさはそのままに、この機能を実現しているというのが特徴です。

 

このArduboy FXですが、その設計は今までのArduboyに追加で「Arduboy FX Mod-Chip」をはんだ付けすることで、実現されています。おそらく基板を再設計するコストをかけないという工夫なのだと思いますが、その副作用として「Arduboy FX Mod-Chip」のみを購入することで、手元のArduboyを「Arduboy FX化」することが出来るのです。

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という事で、私も「Arduboy FX Mod-Chip」を手に入れたので、これを使って手元のArduboyをFX化する様子を紹介していきたいと思います。

 

Arduboy FX化の手順

FX化の手順については、公式ページに非常に丁寧な解説があります。今回もこの手順に従って作業していきます。

Arduboy – Start FX

 

Arduboy FX Mod-Chipの様子

これが、Arduboy FX Mod-Chipです。フレキシブル基板で作られた、ユニークな形をした追加基板です。

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裏面にはコミュニティで活躍するゲーム開発者の皆さんのドット絵が敷き詰められていて、コミュニティへの愛を感じます。

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この不思議な形状ですが、既存のArduboyの部品と干渉しないような形を追求した結果、こうなったようです。 

Arduboyの分解

裏面の4隅のネジを外すことでArduboyを分解します。

このネジが小さい割に固く締まっているため、ネジ山を舐めないようにうまく外す必要があります。

精密ドライバーとラジオペンチをうまく使って、片手でドライバーを下に押しつけつつ、もう片方の手でラジオペンチを使って、ねじを緩めることで、うまくねじを緩めることが出来ました。

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裏蓋を開けると、非常に薄いバッテリーが出てきますが、このバッテリーを持ち上げすぎると、バッテリーの端子が折れてしまうので注意が必要です。そっと覗き込むように少しだけ持ち上げるだけにしておきましょう。

一時的にスピーカーの配線を外す

Arduboy FX Mod-Chipを取り付ける際に、スピーカーの配線が邪魔なので、一度はんだごてを使い配線を外します

 

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↑Before、 ↓After

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パッドにはんだごてを当てることで、配線を外すことが出来ましたが、熱しすぎたのか、配線の被覆が少し溶けて中の導線が露出してしまいました。特に実害はありませんでしたが、作業する際は注意が必要です。

Arduboy FX Mod-Chipを仮配置する

バッテリーの裏に滑り込ませるようにしてArduboy FX Mod-Chipを配置します。スピーカーのケーブルは、Arduboy FX Mode-Chipの上を通すようにします。

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パッドにはんだを盛る

説明の動画では、Arduboy FX Mod-Chipを重ねた上からはんだ付けしていますが、なんとなく、先にArduboy側の基板のパッドにはんだを盛って、Mod-Chipの上からはんだごてで熱することで、はんだ付けする方法を実施しました。

 

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8か所のパッドをすべてはんだ付けしました。

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スピーカーの配線を元に戻す

Arduboy FX Mod-Chipのパッドがすべてはんだ付け出来たら、スピーカの配線を再びはんだ付けします。

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これでハードウェアの改造は完了です。

蓋をする前に、ソフトウェアについても更新します。

 

ファームウェアの更新

Arduboy FX化のためにはArduboyのブートローダーを書き換える必要があります。

普通なら、ArduboyのISCP端子から書き込むところですが、Arduboy  FX Mod-Chipにはこの機能が内蔵されています。起動中にArduboyの「リセットボタン」を5秒間押し続けることで、この機能が発動しブートローダを書き換えます。

 

しかし、この「リセットボタン」を強く押し続けるとスイッチがもげてしまう事象があるようで、そうならないように自分はジャンパワイヤを使ってRSTピンとGNDピンをショートさせることでこの「リセットボタンを5秒間押し続ける」ことを実現しました。

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これがうまくいくとArduboy FXのブートスクリーンが出てきて、ファームウェアの更新は完了です。

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裏蓋を戻す

裏蓋をつけて、再び4つのネジを締めます。

これにて作業完了です。

Arduboy FXを楽しむ

Arduboy FXには200以上のゲームが収録されており、PCとつなぐことなく、自由に切り替えて遊ぶことが出来ます。

これらのゲームは、コミュニティの皆さんが作ったもので、何を隠そう自分が作ったゲームもいくつか収録されています。

自分が作ったゲームが市販の製品にバンドルされているというは、何ともうれしいです。

 

また、このFlashメモリは、パソコンから中身を書き換えることが出来るので、すでに入っているゲームを削除したり、オリジナルのゲームを追加することもできます。

 

加えて、プログラムからFlashメモリにアクセスすることもできるので、通常のArduboyでは容量不足で実現できなかったようなゲームも、Arduboy FXであれば実現できるかもしれません。

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なんとなくケースに「FX」と書いてみた。



 

Arduboy FX Mod-Chipの構成

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このチップには2つのICが搭載されています。1つはフラッシュメモリICであるW25Q128です。これはこのチップの仕組みを考えれば当然搭載されるものです。

もう一つはATtiny85です。これはFlashCartには搭載されていないもので、このArduboy FX Mod-Chipには必須のものではなさそうです。

このATtiny85は、この前の作業で実施した「リセットボタンを5秒間押し続ける」時に起動する「Arduboy本体のブートローダーを更新する」ために存在しています。

 

Arduboy FX Mod-Chip起動時のその1回のためにだけ存在しているという、一見無駄なチップのようですが、これがあるおかげで、既存のArduboyを比較的簡単にFX化することが出来ます。

 

既製品をアップデートする際にはこういう手法が一般的なのでしょうか?とにかく面白いアイデアだと感じました。

 

まとめ

Arduboy FX Mod-Chipを使うことで、簡単に既存のArduboyをFX化することが出来ました。このArduboy FX Mod-Chipは調べてみると面白く、開発者の工夫がにじみ出ています。

 

Arduboy FXはコミュニティベースで開発が行われ、収録されているゲームもコミュニティユーザによってつくられたものです。ユーザに愛されているArduboyだからこそできる、素晴らしいアップデートだと思います。

 

Arduboyを持っている方も、まだ持っていない方も、ぜひArduboy FXを手に入れてみてください。(Mod-Chip単品でも、組みこみ済みのArduboy FXもどちらも販売しています)

arduboy.com

 

我らが千石電商でも購入できるようです!

www.sengoku.co.jp

みんなでテープカッターを作る試みの紹介 #栗原精機 #テープカッター

事の始まり

この話はとある町工場の社長さんが、切削加工のテープカッターの図面公開することから始まりました。

 

 この図面はまぁ、結構単純なものでしたが、こうやってデジタルデータとして瞬時に設計を世の中に共有できるというのは、結構面白いと感じました。

 

もちろん3Dプリンタの世界ではThingiverseなどで日常的に行われているのですが、町工場からそういう動きが出てくるというのは非常に面白いと感じました。

 

ということで、自分も一つ乗ってみることにしました。

 

データ起こしと3Dプリント

公開されているのは単なるpdfによる図面であるため、これをCADデータに起こす必要があります。折角なので最近覚えたFreeCADを使ってこの図面をデータ化しました。

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比較的単純な図面だったので、すぐにデータ化することが出来ました。金属加工装置が家にあればここからCAMを使って加工データを作り、機械に流せばよいのですが・・

 

我が家にはそんな装置はありません。

 

しかし、我が家には3Dプリンタがあります!

inajob.hatenablog.jp

ということで、ひとまず何も考えずこのデータを3Dプリントしてみます。

データさえあればあとは簡単!

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一応それっぽいものが作れましたが、肝心のセロハンテープの切断が出来ません。(おそらくマスキングテープのようなものであれば切断できるかもしれませんが、手元になかったので確認できず)もともと金属加工で作るためのデータであるため、プラスチックの3Dプリントで作っても、鋭利さが足りずセロハンテープが切断できないという事のようです。

3Dプリンタでテープカッターを作るための試行錯誤

ちょっと悔しいので、3Dプリンタでも作成できるテープカッターに改造できないかなと実験を始めました。

 

まずは、鋭利な形状を3Dプリンタで作る実験です。様々な向きで尖ったエッジを印刷し、テープがカットできるかを確認します。

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予想はしていましたが、X,Y,Zのどの角度でプリントしても、まともな鋭角は得られませんでした。鋭さも問題ですが、細さゆえの脆さも大きな問題だと感じました。

 

ともかく3Dプリンタを使ってカッターナイフのような鋭利な形状を作る事は難しいようでした。

しかし、そもそもセロハンテープをカットするという目的においてカッターナイフのような薄い鋭利さが必要なのかどうか?という点が疑問になり、次に「ギザギザ」のモデルをいくつか印刷してみました。

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うれしいことに、この形状は、セロハンテープを切断することが出来ました。

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手元にあった市販のプラスチック製のテープカッターを観察したところ、これとよく似た形状であることに気付きました。

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ここで気づいたのは、セロハンテープ切断に必要なのはカッターナイフのような「面」での鋭利さではなく、このギザギザの角のような「点」での鋭利さだという事です。

この「点」での鋭利さを利用してセロハンテープの一部に小さな穴をあけ、その穴から亀裂が広がることでセロハンテープを切断するのが、このカッターの仕組みのようだと発見しました。

 

まぁそんな先人の発見を追体験したところで、この「ギザギザ」を先程の図面に導入します。

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ギザギザ部分がオーバーハングになるため、なるべく浅い角度になるようかなりギザギザの数を少なくしました。
先程の発見が正しければ、このギザギザの角が最悪1つでもあればテープは切断できるため、この程度のギザギザで十分だと考えました。

 

そしてできたものがこちら。

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やった!この設計でテープを切断することが出来ました。

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まぁ切断面はフニャフニャで、市販の物とは違いますが、まぁテープカッターとしては機能したのでヨシとしましょう。

 

得られた気づきとインダストリアルデザインの深い世界

 ここで、このテープカッターの元の設計のトレードオフに気付きました。

普通のテープカッターは下の写真のようにテープを張っている箇所が長くなっています。一方このテープカッターにはこのような長い箇所がありません。

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これにより今回作成したテープカッターは小型化という利点を獲得していますが、その一方でテープを引きはがす際にちょっと苦労が必要になっていることに気付きました。

また、今回のテープカッターは(おそらく)掘削機で加工しやすいよう、背面がテープカッター本体によりふさがれている(下図の黄色い部分)ため、左利きの人にはさらに使いにくくなっていることにも気づきました。

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この点でも一般的な市販のテープカッターはよくできており、長くテープが伸びている箇所に両方から手を入れることが出来ます。

シンプルだと思っていたテープカッターですが、デザインの細部には様々な工夫が施されていることに気付きました。

 

いやぁ、インダストリアルデザインって奥が深いなぁ・・と感じました。

 

と、まぁここまでが自分のテープカッター作成記でした。

単に図面をデータ化して3Dプリンタで出力するだけかな、と思っていましたが、思った以上に長い旅になりました。おかげでインダストリアルデザインの深い世界の一部を垣間見ることが出来ました。

 

改めて、この図面を公開してくだったことに感謝します。

 

他の方々の作例紹介

さて、ここからはこの図面を基に作られた様々なテープカッターの事例を紹介します。

 

ひろさんの作例

 やすりで鋭利にすることでテープをカットできるように改造しています。

 その後サランラップのカッターを取り付ける改造を行い、さらに使いやすくしています。

 

李丞株さんの作例

 

横浜市にある小さな町工場 高谷精密工業 さんの作例

 

独自のエンボス加工が素敵です。

 ㈲コバ 取締役副社長 さんの作例

 

独自のデザインに改造されており、なんと自分が気づいた問題点である両利き対応されています。

内田部長@水貝製作所 さんの作例

加工動画が見物です。

 Labonos_PR さんの作例

 【公式】AUTOLAB株式会社_藤原崇義 さんの作例

 眞鍋玲 さんの作例

 

 皆さんすごいですね。

育休復帰して3か月の近況

9か月の育児休業を取得し、1月に復職した私です。

無事1月、2月、3月と仕事に取り組み、なんとか4月になりました。

ということで、ここまでの近況を少し書いておこうかなと思います。

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ここ3か月の我が家の状態

我が家は、私も妻も育児休業を取得しており、どちらも娘が誕生した2020年の4月から取得していました。

そして、私は2021年1月に復職、妻はまだ継続して育児休業という状態です。

予定としては、娘を4月に保育園に預け、妻もそのタイミングから復職するという計画です。

 

私も4月まで育児休業するという手もあったのですが、夫婦二人+娘の保育園入園とイベントが重なってしまうとバタバタしそうだな、ということで、お試し的に私から復職しようという作戦です。

ここ3か月のタイムスケジュール

1月-3月の間は、私が仕事に復帰しているため、妻のワンオペ育児となります。

当たり前ですが、これは2人で育休しているよりも大変です。

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生後11か月時点でのスケジュール

日中の子守はほぼ妻の担当となりました。夜は私が娘と同じ部屋で寝るというのは、2人とも育休していたころと変わっていません。

幸いこのコロナ禍の影響や、会社の制度のおかげで、この3か月はほとんど私も「在宅勤務」することができているおかげで、このスケジュールにあるようにちょいちょい育児のお手伝いが出来ました。

 

私が主に担当しているのは「離乳食」です。ワンオペ育児の妻と話すと「用意した離乳食を食べてくれないととても凹む」ということで、時間当たりの効率の良さそうな離乳食を食べさせるというタスクを私ができる限り担当することにしました。

 

娘も11か月ともなると、日中の睡眠時間も減り、今までなら母子共に「お昼寝」というようなことが出来ていたのですが、それもすぐに目覚めて泣き出してしまう・・という状態となってしまい、一度歯車が狂うと結構辛そうでした。

 

幸い、私も1年分の有給がたまっている状態で1月から復帰したため、妻が辛そうな日は積極的に会社を休んで、育児を代わることが出来ました。(まぁこれはこの3月までの話で、これからはそこまで無尽蔵に休むほど有給は余っていないです・・)

 

復職してみて

9ヵ月ものブランクでの復職で、ちゃんと仕事をはじめられるか心配でしたが、思ったほどは苦労しませんでした。(一番苦労したのは会社のMacBookのキー配列くらいでした・・w)

まぁ育休前と同じメンバーの元への復職だったことや、業務内容も育休前と同じようなものだったこと、育休中も専門分野のキャッチアップを少しやっていたこと、会社の同僚が温かく迎えてくれたことなどが要因としてあるのかなと思います。

まだ「時短」扱いでの復帰ですが、しばらくは時短で働かせてもらおうと思っています。

 

保育園入園にむけて・・

この記事を書いている現在、絶賛「慣らし保育」中ですが、、ここに至るまではいろいろありました。

 

まぁ、子供を持っている人ならみんな通る道なのですが、近くの保育園を見て回りチェックして、希望を書いた紙を役所に提出し、、後は祈る・・という感じでした。

 

この希望は家庭状況から算出される「スコア」に応じて優先的に採用されるもので、我が家はごくごく一般的な「共働き」ということで、特に優先されることもなく、ほかの多くの希望者との横並びでの対決となりました。

 

結果希望した保育園のなかでも、結構下の方の小規模保育施設に決まりました。

まぁ、しかし、見て回った限り、小規模だから心配というようなことは無く、安心して預けられそうで、しかも家からも比較的近いという事で、希望順位としては低いものの、結果的には良い園に入れたなと感じています。

 

これからの予定

次のイベントは「慣らし保育の終了」「妻の復職」です。

それぞれ心配が大量にありますが、家族で力を合わせて、無理をせずに楽しく進めていきたいと思います。

自炊レベルアップの道のりと、「クラシル」が便利だよという話。

自炊してますか?

コロナ禍という事、また、私の場合は育児休業していたこともあり、ここ1年ほど自炊をする機会がぐっと増えました。

 

自分は元から「自炊」についてはそこまで苦手意識は無く、必要とあらば自炊してきましたが、ここ最近その自炊レベルがちょっと向上してきたと感じたので、記事にまとめることにしました。

 

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大学に入って初めての自炊生活スタート

大学に入ったときに初めての一人暮らしをスタートしました。学生という事で例にもれず自分も自由にできるお金が少なかったという事もあり、自然と自炊を始めました。

 

始めこそ、「グラタン」「シチュー・カレー」など凝った料理に挑戦していたのですが、だんだん面倒になってきて 白米+納豆+野菜炒め、とかチャーハンといった、簡単料理に収束していきました。

 

ここで学んだことは

  • 1品の料理であればレシピを見ながら作ることが出来る
  • 野菜炒めは簡単で栄養バランスも良さそう
  • 自分はそこまで食にこだわりが無いので1品料理でも問題ない

結婚して「人にふるまう料理」を意識する

その後、長い間 簡単なメニュー生活が続きましたが、結婚して妻にも料理を食べてもらうこととなり、「人に食べてもらう」という事を少し意識するようになりました。

と言ってもメインが「野菜炒め」なのは変わらず、副菜や、盛り付けなどに気を付けるようになったかな、という感じです。

まぁ共働きなので、昼は会社で食べますし、夜も気が向いたら外食したり、妻も料理を作ったりする生活だったので、バリエーションが少ないことはそこまで気になりませんでした。

ここで学んだことは

  • 野菜炒めばっかりだと妻が飽きる
  • 気が向いたら外食するという生活習慣もアリ

コロナ禍・育休でバリエーションを意識する

そしてこのコロナ禍・育休です。

別の記事にも書きましたが、妻は妊娠してから体調がすぐれず、台所に立てない日も多くありました。また、「つわり」ということで、食べれるものも制限され自炊の難易度が上がりました。

 

育休に入り生活時間に隙間が出来てきたタイミングで、副菜を作り置きしたり、肉を下ごしらえして冷凍するなど、料理の前の工夫というのも実践するようになりました。

 

鶏肉を少し醤油・みりんに漬け込むだけでも、随分おいしくなるという事を学びました。

ただ昼・夜 毎食作るのは負担が大きいという事で、一食はヨシケイの「冷凍弁当」に頼ることにしました。

ここで学んだことは

  • 子供が生まれると外食が厳しい
  • 今までの方法で毎晩自炊するとバリエーションに乏しい
  • 冷凍弁当は便利
  • 作り置きは便利
  • 下ごしらえは有用

カットミールで「献立」を意識する

そして、今年に入ってから 私が育休を終え、仕事に戻るようになり、夜ごはんの準備する時間がタイトになってきました。

そこで、ヨシケイの「カットミール」を1か月間ほど試すことにしました。

これは主菜・副菜の2品目が作れるだけの材料を届けてくれるというサービスです。

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yoshikei-dvlp.co.jp

うれしいのは主菜、副菜の工程をミックスしたレシピです。

今まで自分は1品をシングルタスクで作ることはできたのですが、複数の料理をマルチタスクで準備することが苦手でした。このレシピはこの自分の問題をスムーズに解決してくれました。

(そして、マルチタスクといっても、当然自分は1人なのでいわゆる時分割システムなのだなということを身をもって理解しました。)

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(無断転載禁止らしいので、雰囲気がわかる一部画像を掲載。)

ここで学んだことは

  • 「献立」という概念
  • 並行して複数のレシピを調理するという修行

クラシルで料理レベルアップ

そして先週から、夜ごはんの準備をカットミールに頼らない「完全自炊」にしてみるという挑戦をしています。

主な理由としては、子供が大きくなるにつれて自炊スキルアップが必須であったり、カットミールは便利だが割高、というようなことが挙げられます。

 

ただ、無策に「自炊をやるぞ!」としても、また今までの「野菜炒め」のみの自炊スタイルに戻りそうだったので、いろいろと本やアプリを探してみました。

 

その結果「クラシル」が結構よさそうということで、先週はクラシルを使ってみました。

www.kurashiru.com

クラシルは今回のような用途に非常によくマッチしていて、「献立の計画」「買い物」「調理」という3つの作業をスムーズにサポートしてくれました。

 

まず、献立の計画です。主菜・副菜・汁物の3品を選びます。クラシルはメニューが豊富で、旬の食材や、冷蔵庫に余っている食材をキーワードに検索をすると様々な候補が表示され、そこから好きなものを選ぶことが出来ます。これでひとまず3日分の献立を決定します。

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次に、買い物リストの作成です。先程決定した献立を作るために必要な材料がすでに登録されているので、その中から家にあるものを消すことでリストを完成させます。この買い物リストも地味に便利で、材料をタップすることでそれがどの料理に必要なものかをさっと確認することが出来ます。これにより、スーパーで代替の食材を選ぶのが非常に楽でした。

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最後が調理です。献立を構成する3つの料理のレシピをスワイプで切り替えることが出来るというUIにより、並列に進行する料理の工程を比較的簡単に把握することが出来ます。(欲を言えばヨシケイのカットミールレシピのようにマージして1つの工程として表示してほしい。)

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まぁ、こんな感じで「クラシル」に助けられながら料理をしてみました。

結果、非常にそれっぽい食卓になり、自分でもここまでちゃんとした料理ができるようになったことに驚きました。

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ここに記載した適切なステップアップが良かったのだとは思いますが、それを差し置いても「クラシル」がよくできているなと感じました。

まとめ

今さらですが、アプリの力を借りてやっとそれっぽく料理ができるようになってきました。

モノづくりは元々好きな方ですが、毎日「おいしい!」と褒めてくれる妻の存在も大きいです。いつもありがとう。

 

ノーコード電子工作で娘のおもちゃを作った

はじめに

せっかく電子工作のスキルがあるのだから、娘のおもちゃを自分で作ってみたい!

という完全に自分の欲望駆動により我が娘(9か月)でも遊べそうなおもちゃを作る事にしてみた。

 

まずは作ったおもちゃの現物の紹介です。

↓のような感じのボタンの付いた箱です。ボタンを押すと音が鳴ります。

要件

  • 力作を作って、遊んでくれなかったり、すぐ壊してしまっても悲しいので、ひとまず非常に簡単なものとする。
  • 光る or 音が鳴る、というのがいかにもおもちゃらしいが、強い光は直視すると目に悪そうだし、この月齢のおもちゃで光るものをあまり見かけないことから、「音が鳴る」というのがよさそうだと判断。
  • 基本的には親が見ているときにしか遊ばせないが、なるべく危険が少ない作りにする。

部品探し

電子工作を嗜んでいる私の部屋には、「余り部品」がたくさん転がっている。

今回はそういった部品を組み合わせて作ってみることにする。

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出てきた部品たち。

トグルスイッチが楽しそうだが、ちょっとサイズが小さいようで、娘にはまだ早そう。

アーケードゲーム用のスイッチが大きくて、軽く押すことが出来て、ちょうど良さそう。

音を出すためにはスピーカーも必要だが、これもたくさん部屋に転がっている。

設計という名の部品選定

設計という名の部品を並べるだけのやつ・・

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部品はこれで全部。

詳しく見ていくと・・・

DFPlayer mini

これが今回のプロジェクトのキモです。

マイクロSDカードを差し込むことができ、その中に入っているmp3やwavファイルを再生することが出来るという、まさにこのおもちゃのために存在するようなモジュールです。1つあたり500円しない安さも魅力です。

 アーケードゲームボタン

以前千石電商から購入したものです。1個200円くらいする(電子部品にしては)高級品

 フレキシブルユニバーサル基板

普通のユニバーサル基板でも良いのですが、今回利用したのはこのタイプのはさみで切ることが出来るユニバーサル基板です。

簡単に好きな大きさに切ることができるので、そのプロジェクトにぴったりの大きさの基板を作ることが出来て便利です。

 その他

導線少々、電池ボックス、XHコネクタ、スピーカー、3Dプリンタ用フィラメントの箱

こんなもんです。

回路設計・実装

今回利用するDFPlayer MiniArduinoなどからシリアル通信で制御するほかに、スタンドアローンで動作させるモードがあります。

今回はこのスタンドアローンで動作するモードを使って、お手軽に済ませることにしました。

スピーカーを駆動するためのアンプもDFPlayer Miniに内蔵されているので、スピーカーも直結でOKです。 

動作電圧は3.3~5Vの間である必要があるので、乾電池3本を電源とします(1.5V*3本 = 4.5V)

 

スタンドアローンで動かす場合(AD KEY Mode)は、ADKEY1,ADKEY2というピンをGNDに対して抵抗を挟んでスイッチにつなぐことで最大20個のスイッチを認識させることが出来ます。(普通はこういうのはマトリクスキースキャンを使いそうなものですが、抵抗の大きさでキーを識別するというのは面白いです。)

DFPlayer_Mini_SKU_DFR0299-DFRobot より引用)

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今回はこの機能のうち抵抗を挟まないパターン(I/O Mode)を利用して、2個のスイッチを認識させます。

 

DFPlayer_Mini_SKU_DFR0299-DFRobotより引用)

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(この図のさらに IO1,IO2の配線を省いたものが今回の回路です)

 

この2個のスイッチに割り当てられている機能は「1番目のファイルを再生する」「5番目のファイルを再生する」です。

 

これにより2種類の音楽ファイルを2つのボタンを押すことで再生できるという機能が実現できます。

 

配線は簡単。電池ボックスのプラス極とマイナス極、スピーカー、スイッチ2つ・・以上です。

 

雑に書くとこんな感じ↓

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清書しました↓。

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実装しました↓。余りの導線を利用しているので、GNDが黒色以外は色は無茶苦茶です。

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裏面はこんな感じです。部品箱に余っていた余りの針金を使いました。

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筐体設計・実装

設計も何も、スイッチ2つを厚紙でできた箱に取り付けるだけです。

キリで穴をあけて、リーマーで広げて、適切な大きさの穴を作り、スイッチをはめ込みます。

音源を探す

それっぽいサウンドエフェクトをインターネットから探してきます。

今回はDownload Free Sound Effects for Videos - Mixkit から探してきました。

SDカード内に「01」というフォルダを作り、その中に001.wav, 002.wav, 003.wav, 004.wav, 005.wavと5つのWAVファイルを配置します。(今回はこのうちの001.wavと005.wavだけが再生対象なので、ほかのファイルは何でも良いですが、5つ必要です。)

 

というのも、今回実装した回路が、「1番を鳴らす」と「5番を鳴らす」という2つの機能のスイッチだけを搭載したものだからです。 

完成!

これだけで完成です。プログラミングが不要なのが良いですね。

中身はこんな感じ

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実際に娘の前に差し出してみたところ、なんとなく遊んでくれました!!

ベシベシとボタンをたたき、自分から音を鳴らそうとしているように見えました!!

 

自分の娘が、自分の作ったおもちゃで遊んでくれているというのは何とも感慨深いものです。

まとめ

という事で、我が娘のためのおもちゃは無事完成し、娘にもそこそこ気に入ってもらえたのではないかと思います。

 

DFPlayer Miniを使ったプログラミング不要の電子工作は手軽なので、ちょっと音が鳴る仕組みを作りたい場合には重宝しそうです。

 

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